【施設建築編・介護福祉】医療・介護と子育て支援、さらに地域交流の場と地域から求められていた機能をカタチにした複合施設

医療施設・介護付有料老人ホーム ONE FOR ALL 横浜(神奈川県横浜市)

【NEWS】医療機能情報提供制度の報告項目を見直しへ 厚労省検討会

さまざまな世代に質の高いあらゆる医療を提供するトータル・ヘルスケアの実現を目指していく

 
◆事業展開
 
昭和28年、横浜市戸塚区に開設された医療法人 横浜柏堤会(はくていかい)さま。開設より60年を超え、長きに渡り同区を中心とした地域医療に取り組んでこられました。平成5年には数多くの医療・介護の関連事業を展開されている戸田中央医科グループ(以降TMG)となり、より地域に密着した幅広いサービスを提供するため、急性期から回復期、在宅まで、総合的な医療の提供を行っておられます。
 
特にTMGの一員となられてからは、地域の医療環境やニーズに対応し、現在ではJR戸塚駅前に位置する戸塚共立第1病院をはじめ5病院・5診療所、介護老人保健施設やグループホーム、高齢者住宅など、数多くの施設を運営されています。横浜柏堤会さまの目指す医療は、「トータル・ヘルスケアの提供」。予防から急性期・回復期・在宅など、あらゆる医療サービスの提供を指す“トータル”、産科から終末期医療まで、あらゆる世代が対象であることの“トータル”という意味合いが込められています。つまり、こうした事業展開は、「地域の方々の健やかな暮らしと健康づくりを総合的にサポートしたい」という思いによるものです。
 
また横浜柏堤会さまでは、昨今の全国的な少子高齢化が進む状況を受け、地域における高齢者へのケア(介護老人保健施設、訪問診療、訪問看護)と子育て支援(主婦健診、病児保育、小児医療)の分野においても、充実を図られてきました。
 
そんな中、戸塚駅周辺の再開発事業と並行して行われた戸塚区役所の移転。跡地売却の公募が行われたのが平成26年のことでした。募集用途については、住民アンケートに基づき、「医療施設または高齢者施設」と「地域交流施設」が求められました。横浜柏堤会さまでは、これに対して有料老人ホーム(52室)を中心に、地域に不足していた産婦人科診療所(19床)、透析診療所(20床)、病児保育(10名/日)と、地域交流施設を併せた複合施設を提案。事業化されることとなりました。
 
活用事業公募にあたっては、土地の購入、施設建築に多くの資金が必要となる中、大和ハウス工業から初期投資の不要なノンアセットでの投資計画を提案され、安定した事業を継続させるための信頼できるパートナーとして同社を選ばれることとなりました。地域からの注目度が高い駅前の区役所跡地という土地だけに、存在感ある建物として平成28年12月に完成した医療・介護・子育て支援の複合施設は、横浜柏堤会さまの理念から「ONE FOR ALL 横浜」と名付けられました。これから多くの方々の健康と地域の活性化に貢献していくことが期待されます。
 
◆課題
 
THEME-1
戸塚区においては、産婦人科の病院が慢性的に不足しており、近隣の区や市で出産される方も少なくなかった。区民だけでなく行政にとっても子育て支援や少子化対策のため、新たな産婦人科の開設は必要不可欠であった。
 
THEME-2
駅前再開発によって2つに分かれていたグループ病院機能の再構築が必要となった。「トータル・ヘルスケアの提供」を目指す同法人にとって、さらなる事業強化のために、今迄提供していない医療や地域に必要なサービスの充実を図りたかった。
 
 
◆計画のポイント
 
POINT-1 建設地として利便性の高い横浜市戸塚区役所の跡地を選定
戸塚駅の駅前再開発に伴う、区役所移転跡地(3,184m²)の活用事業公募に注目。募集用途である「医療施設または高齢者施設」と「地域交流施設」の条件を満たす、医療・介護・子育て支援複合施設の建設地に選定。
 
POINT-2 さまざまな機能を効果的にまとめた施設づくり
5階建ての施設は、1階部分に地域交流施設、1~2階部分に産婦人科診療所(19床)、3階部分に透析診療所(20床)と病児保育所(10名/日)、3~5階部分には有料老人ホーム(52室)を配置。患者さまや入居者さま、訪問者がそれぞれの施設へスムーズに出入りできるよう、施設内のレイアウトにも配慮されています。
 
POINT-3 地域の注目を集め、新たな交流を創造する複合施設
地域交流施設も併設し、患者さまや入居者さまだけでなく、地域全体で利用できるよう計画された複合施設。さらに、敷地が接する南西2つの道路に接する部分には、ベンチなどを配した屋外のオープンスペースを設け、地域のイベント等に広く活用が可能となっています。
 
 

多くのニーズに応える複合施設で地域医療・介護の裾野を広げていきたい

 
◆インタビュー
 
医療法人横浜柏堤会 理事長 横川秀男様
 
私たち医療法人横浜柏堤会の理念は、「One for All, All for One, 1人は皆のために、皆は1人のために」です。さまざまな役割を担う多くのスタッフが、「すべては患者さまの視点に立って」「利用者さまの視点に立って」という熱い想いを抱きながら、日々の業務にあたっています。そして、地域において救急から在宅まで切れ目のないトータル・ヘルスケアの提供を目指しています。
 
今回、戸塚区民の皆さまをはじめ、行政の要望に応える新たな医療・介護・子育て支援、さらには地域交流の複合施設を開設させていただくこととなりました。地域の高い関心を集める戸塚区役所の跡地であることから、地域交流施設を設置。さらに、“トータル・ヘルスケア”という、当法人の取組みをより充実したものとするため、「人工透析の充実」「高齢者ケア=介護付有料老人ホーム」「子育て支援=産婦人科・病児保育」という機能を集結しました。
 
私たち横浜柏堤会では、地域の医療・介護ニーズに応えられるよう、さまざまな事業を展開してきました。そして、施設ごとに特色を持たせ、それぞれの機能を明確化し、互いに連携を図ることで、「トータル・ヘルスケア」の提供を目指していますが、今回、当法人にとって初の分娩施設となった「戸塚レディースクリニック」の開設によって、目標にまた一歩近づいたことを実感しています。
 
施設計画にあたって、課題の一つとなったのが「複数の機能をいかに効果的に融合させるか」ということ。大和ハウスさんとの意見交換を密に行い、何度も検討を重ねたことで、理想的な施設が完成したと思っています。また、建設中より注目度の高い建物であったため、私自身も現場に何度か足を運んだのですが、大和ハウスさんの近隣や通行者への配慮のきめ細かさには感心しました。そういった建物の出来栄え以外の面にも大いに満足しています。
 
地域交流施設・オープンスペース
地域の各世代の方々が気軽に利用できるスペースとして、地域の学びと交流の場として活用可能な多目的施設。当法人では、健康をテーマとした各種教室や講座等を開催する予定です。
 
戸塚共立レディースクリニック
分娩の他、婦人科手術、不妊治療にも対応できる施設です。(平成29年4月開設)
 
戸塚共立透析クリニック
法人内の透析部門を移設し20床に増床。安心して透析を受けられるよう、法人内の病院とも連携体制を高めています。(平成29年4月開設)
 
戸塚共立ひかり病児保育室
横浜市の委託事業として1日10名まで受け入れ可能な施設。法人の小児科医師の定期巡回や緊急時のバックアップ体制も整えています。(平成29年4月開設)
 
介護付有料法人ホーム 戸塚共立ゆかりの里
医療法人運営の強みを活かし、医療・介護依存度の高い高齢者の受け入れが可能。グループ内医療施設の24時間365日バックアップ体制も整えています。(平成29年4月開設)
 
 
◆大和ハウス工業を選び、ご満足いただいた点
 
・計画・施工の各段階において、細かな要望の一つひとつにきめ細かく対応してもらった。
・限られた工期であっても要望にしっかりと応えてくれた。
・建物が密集し、通行者の多い建設地にも関わらず、高いレベルでの近隣配慮を行ってくれた。
 
 

地域のにぎわいの中心となる“健康を支える複合施設

 
お祭りやフリーマーケットなど、地域の催しに活用することが予定されている屋外のオープンスペース。建物内の交流スペースとともに、地域交流の場として機能します。
 
1階部分には、セミナーなどに活用される地域交流施設。健康をテーマにしたセミナー等の実施が予定されています。さらに一角には、来館者にくつろいでいただけるよう、カフェスペースも設けられています。
 
1~2階の産婦人科診療所「戸塚共立レディースクリニック」(19床)。内部は、高級感ある内装で統一されています。また、家族といっしょに食事ができる食堂談話室(右)も設置されています。
 
産婦人科の病室。ご家族もいっしょに宿泊できるよう簡易ベッドが設置されています。
 
3階の透析診療所「戸塚共立透析クリニック」(20床)。長時間に渡る透析治療の時間を少しでも快適に過ごしていただけるよう、直接風が当たらないよう工夫された空調機器を採用しています。
 
3階の病児保育所「戸塚共立ひかり病児保育室」(定員10名/日)。天井には、星や機関車のイラストが蛍光塗料で描かれているなど、お子さまの喜ぶ仕掛けが施されています。
 
3~5階に設けられた介護付有料老人ホーム「戸塚共立ゆかりの里」のスタッフステーション。
 
介護付有料老人ホームの食堂談話室。壁面や家具の色合いにも気を配り、高級感ある空間を演出しています。
 
介護付有料老人ホームの廊下。快適な住まいを意識し、色合いや質感にこだわった建具等を採用しています。居室は、広さによって2パターン(4階:18m²、5階:25m²)を設定。25m²の居室には各戸に浴室を設けています。車椅子が転回しやすいよう、廊下幅に余裕を持たせていることも特徴です。隣接する小学校から児童たちの声が聞こえることも、入居者さまの好評を博する要因となるでしょう。
 
(2017年4月/文責・編集 大和ハウス工業株式会社)

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